【貯金の落とし穴】インフレによって資産価値は年々下がる
投資の世界で複利は大きな力を持ちます。
今回はその複利がマイナス面に働く場合があるということを書こうかと思います。
利金を元本に加えてさらに運用することで複利となり大きなリターンにつながります、
これはマイナス面にも作用することで、その場合積みあがった損失が時間の経過とともに驚異的な損失につながります。
その最たる例がインフレでしょう。
このインフレは資産形成を考える上で最も警戒すべき存在といっても過言ではないです。
貯金をしていれば安全と思っている方は読んでおいた方がいいと思います。
資産形成で注意すべきインフレの存在
・そもそもインフレとは?
一般的な物価水準が継続的に上昇し、貨幣価格が下落すること。
(デジタル広辞苑)
去年100円で買えていたノートの価格が上昇して今は120円になることで、今の100円は去年持っていた100円より価値が低くなります。
上記のように1年で20%も物価が上昇することは稀ですが、それでもゆっくりと物価は上昇していくものです。
日銀は安定的な物価上昇のめやすとして2%を掲げています。
これは言いかえると「毎年2%ものの値段が上がるようにします」と言っているということです。
つまりものの値段は2バーセントづつ複利的に上がっていくということです。
仮に2%づつ物価が上昇した場合、31年でものの値段は倍になります。
「全部ものの値段が倍になったら、生活なんてできません」
安心してください。そのころにはそれに釣り合うように給料が上がっています。
問題は今持っているお金です。
インフレによって今持っているお金の価値が下がる
今1000万の貯金があるとして、これをなにもせずタンス預金していたとすると、そのお金には何の変化もありませんが、世の中での1000万の価値はどんどん下がっていってしまうのです。
物価が上昇し、すべての価値が今の倍になったら、その1000万は今の500万価値のモノしか買えません。
何も考えずにいると、せっかく頑張って働いて、節約して貯めたお金がどんどん減っていく状態になるのです。
日本はバブル以降インフレが低調だったため非常にこのインフレというリスクに鈍感です。
銀行への預金率の高さがそれを物語っています。
インフレに備えた資産形成をするべし
インフレによるリスクはお分かり頂けたかと思います。
インフレ率よりも多く利益を得られないと実質はお金が減っていきます。
もちろん貯金は大事ですが、その貯金額が実質的には年々減っていることは理解しておくべきでしょう。
投資などの運用もせずに置いておくなら、今ならその額相当の経験やモノが手に入るのでむしろ使ってしまった方が有意義かもしれません。
実際、インフレ率が高い国ではその日に稼いだお金でその日を生きることが普通にあります。
彼らは今日稼いだお金が日を追うごとに価値がなくなることをわかっているんですね。
それでも、将来の為にお金を貯めたいと思うのならば、インフレ率を上回る運用を心がける方がいいでしょう。
貯金だけで貯めていこうとすると、時間をかけた分だけその道は険しくなるかもしれません。
それでは。